法蔵魂を呼び覚まされて 宮岳文隆

2020年8月5日

法蔵菩薩とはなにか。著者は経典の中の「法蔵」という存在の中に、私の人生、生涯そのものとなって私を救う姿を見る。聞法のために公務員を退職し、今は僧侶として生きる著者が、瑞々しい筆致で自らの中に見出した法蔵の救いを語る。

<過ぎゆく物理的な時間世界の中で、決して過ぎゆかないもう一つの時間世界があるのです。それが南無阿弥陀仏の時間世界です。南無阿弥陀仏の時間世界とは、法蔵菩薩の呼びかけを聞くことによって開かれる永遠の時間世界のことです。この世界の中では、出来事自体は過ぎるけれども、その全部が、今の私にとって永遠の意味を持ってくるのです。つまり、その世界では、人生のいろいろな出来事が、全て法蔵菩薩の呼びかけに出遇うための出来事でないものはなかったというふうに、永遠の時間世界の中における永遠の出来事として、見直されてくるのです。ですから、一生の内に起こるいろいろな出来事が、空しく終わりません。過ぎるけれども、みな意味を持ってくるのです。>

宮岳文隆(みやおか ぶんりゅう)
1950年大分県(湯布院町)に生まれる。1975年大谷大学大学院修士課程真宗学科修了。1976年大分市役所に就職。2000年大石法夫師に出遇う。2004年師の教えを本格的に聞くために大分市役所を早期退職。現在、真宗大谷派心光寺住職。真宗大谷派真宗本廟教化教導。

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