2016年8月19日
仏教は〝目覚めの宗教〟であって、多様性に対応できる宗教であるというような認識が高まっています。私は今後、アメリカだけでなく、西洋において仏教は爆発的には伸びませんが、徐々に、仏教の影響が増していくと思います。とにかく、衰退するということは、もうないと思っています。それほどこの多様性に対応できている宗教ではないかと思うのです。
そこで真宗が、これに対応できるかという点については、十分可能であると考えています。私はこの前アメリカに戻りまして、本土の真宗教団である米国仏教団(Buddhist Churches of America)は、かなり良い線を行っているのではないかと感じました。開教使は六〇人位ですが、彼らをサポートし得度を受けた開教使補佐が七五人も養成されてきたのですね。この七五人の開教使補の半分は、非日系人なのです。そしてカリフォルニア州以外のお寺の中には、ほぼ全員が白人で構成されるお寺が二箇寺できています。こういう面でも、真宗が多様性という環境の中で対応できる〝目覚めの宗教〟であるということは自信を持って言えます。ただ今後は、アメリカや日本の先生方のリーダーシップが重要となると思うのです。そこで今日私が言わんとしていたことですが、真宗の独自性を強調することはもちろん必要でありますけれど、「クリスチャン・ブッディスト」(キリスト教仏教徒)というイメージを取り払うためにも、やはり仏教一般やスピリチュアリティーとの共通性というところも、もっと意識して打ち出す必要があるのではないかと思います。
『多様化する現代社会と浄土真宗: グローバルな視点より』 (ケネス・タナカ)
© 2024 響流書房 | Theme by Eleven Themes