科学技術時代と浄土の教え(下) 大峯顯

2016年5月5日

阿弥陀仏や浄土往生という信仰が実感を失ってしまった今、宗教がその意義を回復し宗教であることを取り戻すにはどうしたらいいのか。宗教哲学の碩学で浄土真宗の僧侶でもある著者が、科学や哲学やキリスト教の神学まで縦横無尽に語り、「自分とは何か」という古今より私たちに課せられた根源的な問いに迫る。

下巻目次

6 科学主義の危険
 科学主義は人間を変質させる
 よく生きる
 本当の私は死なない
 生命は形式を超える
 浄土真宗は生命の法則
 生命が私を生きる

質疑 Ⅱ

7 自己について
 身体は自己ではない
 自己も形式である
 本当の私になる
 科学主義は自己を忘れさせる

8 宇宙の中の自己
 宇宙をどう見るか
 私と宇宙との同時性
 なぜ前生・後生を語るのか
 世界の内へ投げられた存在
 仏とは何か
 宗教哲学の役割
 私は宇宙だ
 救いの構造
 浄土真宗は自然体

9 科学主義と言葉
 死の忘却と言葉の数値化
 ものを宿す言葉
 実用語の世界
 目的としての言葉
 もの自身が語る
 ハイデガーの詩論
 言葉から見た宇宙
 救いとは名を喚ぶこと
 煩悩の中で喚び声を聞く

大峯 顯(おおみね あきら)
1929年奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。大阪大学教授、龍谷大学教授、放送大学客員教授、浄土真宗教学研究所所長、教学伝道研究センター顧問を経て、現在大阪大学名誉教授、毎日俳壇選者。句集『群生海』で第52回毎日芸術賞、第26回詩歌文学館賞受賞。句集『短夜』で第四十九回蛇笏賞、第七回小野市詩歌文学賞受賞。奈良県専立寺前住職。著書多数。

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