2016年5月5日
「新しい親鸞」というタイトルは、決して、親鸞思想について新説を打ち立てるということではなく、新しい史実が明らかになったということでもない。さらに、いままで語られた親鸞論をひっくり返すような新しい何かを表現したということでもない。
これは著者がその生き様の中で触れた親鸞であり、ただ親鸞の言葉の解釈に終わらない、一人の人間が真向かいに親鸞思想に向き合った、みずみずしくも根源的な「新しい親鸞」である。
本書は上下二巻中の下巻となる。
3〈信〉の部 「無」という否定媒介
信心について
親鸞の本願文解釈
一人称的信仰表現と二人称的信仰表現
唯信と唯除
信仰の目覚まし時計
唯円の課題
外なるこころ=信心
聞き言葉
浄土には「浄土」という言葉はない
「無」という叫び
釈迦のため息としての教言
非意味化
「生きる意味」について
4〈証〉の部 還相の時間論
南無阿弥陀仏って何だ?
〈分かる〉と〈分からない〉
「分ける」は殺すこと
イメージの力
阿弥陀=「自己自身」
煩悩は「起こす」ではなく「起きる」もの
「モノ」と「コト」
見えない自己
時間の問題――〈いま〉の復活
浄土から来る時間
〈いま〉という意識の剥奪
刹那的な〈いま〉と満たされる〈いま〉
生を輝かせる死のはたらき
死=永遠
おわりに
著者略歴
武田定光(たけださだみつ)
1954年、東京都に生まれる。大谷大学文学部博士課程修了。元、親鸞仏教センター嘱託研究員。現在、真宗大谷派・因速寺住職『歎異抄の深淵 師訓篇』『歎異抄の深淵 異義篇』『逆説の親鸞』(雲母書房)『親鸞抄』(ぷねうま舎)など、著書多数
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