2015年6月9日
「業務上の資格として、得度ということは考えられないのかね?」
不況のまっただ中で社会に放り出された著者は、ひょんなことから浄土真宗の霊園に就職し、状況に流されるままに保身のために僧侶になった。けれども、そこは「お東紛争」の影響が色濃く残る、矛盾に満ちた場であった。
人生で二度の得度を果たした「特殊事例」の著者が、本願寺維持財団と真宗大谷派という二つの教団に身を置いた経験を通して、僧侶とは誰か、仏法が息づく僧伽とは何かを問いかける。
「もう、何者かになるために、何かを求めて生きる必要はない。この後、目の前に大きな困難があったとしても、この身ひとつあるという事実に立って、お念仏とともに堪え忍んでいくことが出来るだろう。私の心の奥底には、静かな海がどこまでも広がっている。」
目次
・はじめに
・お剃刀
・得度の後悔
・山内の小僧
・着慣れぬ、七条
・法話をしたい
・ねむりの山
・下山の決意
・セカンド・フライト
・菩薩と仰ぐ
・三帰依文を唱える
・開け、法蔵
・「ニセ坊主」の再生
・小賢しき者
・響き合う世界
・おわりに
著者略歴
柳衛 法舟(やなぎえ ほうしゅう)
1982年東京都生まれ
学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程史学専攻修了、真宗大谷派教師。現在、真宗大谷派成真寺衆徒として法務に携わる一方で、東京にて団体職員として仏教書の出版事業に従事。
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