北の大地に念仏の華ひらく 林暁宇

2017年5月6日

今から十数年前、私は北海道で、
「口に世事をまじえず、ただ仏恩の深きことを述ぶ。声に余言をあらわさず、もっぱら称名たゆることなし。」
という口伝鈔の言葉をそのままに生きている人に出会った。
本書は、この“稀有人”とその周辺の人達から、数年にわたって密着取材した記録です。
冱て返る北の大地に、「目の前のお方は、お前可愛いばっかりに、その姿になって現れて下さった仏さん」という、一途であたたかい信仰が華開き実っていた。(著者より)

林 暁宇(はやし ぎょうう)
北海道浦幌町生まれ。1938年更別村旭小学校高等科卒業。40年肺結核で自宅療養。仏教誌『慈悲の国』により、病弱の念仏者・赤禰貞子を知る。43年北海道庁十勝支庁に勤務。49年暁烏敏に会い、明達寺に入り得度。54年『暁烏敏全集』編集担当。56年肺結核再発、左肺上葉切除。63年結婚。69年明達寺を出て放浪。70年小豆島に住み、四軒長屋の片隅を借りて「具足舎」と名づける。80年札幌市に移住。98年石川県鳥越村のケアハウスに入る。2001年能美市鍋谷町に移る。07年3月仏教伝道文化賞受賞。
2007年4月29日84歳にて還浄。

主要著書
『三味線婆ちゃん』『もしよきひとにあわざれば』『むなしさをこえる』(以上東本願寺出版部)『念仏総長暁烏敏』『開けて悔しき玉手箱』『北の大地に念仏の華ひらく』『人間死ねば仏になる』『生死を超える道』『帰依処のあれば』(以上具足舎)『それで死んでも悔いなかろう―私の出遇った暁烏先生―』『賜る願い限りなく―暁烏先生に愛された田舎の人びと―』(以上北國新聞社)他多数

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