新しい親鸞(上) 武田定光

2016年1月19日

「新しい親鸞」というタイトルは、決して、親鸞思想について新説を打ち立てるということではなく、新しい史実が明らかになったということでもない。さらに、いままで語られた親鸞論をひっくり返すような新しい何かを表現したということでもない。
これは著者がその生き様の中で触れた親鸞であり、ただ親鸞の言葉の解釈に終わらない、一人の人間が真向かいに親鸞思想に向き合った、みずみずしくも根源的な「新しい親鸞」である。
本書は上下二巻中の上巻となる。

序 新しい親鸞とは何か
「新しい」ということ
親鸞を目的地ではなく出発点とする
文字言語としての「親鸞」
言葉が生まれる背景

1〈教〉の部 如来の自己否定としての身体性
「宗教」って何だろう?
親鸞の決断
一本の道しか登れない
成熟した一神教
たったひとりの男
スジャータのミルク
絶望を超えて
ふたつの深い心
経験と体験
阿闍世の信仰
仏教って何?
「聞」は創造なり
少分仏性を見る
生死は紙の裏表
私という環境世界
非存在から存在へ

2〈行〉の部 親鸞の「他力」観
いつでも性・どこでも性・だれでも性
HOW TOが法然・親鸞を弾圧した
法然の易行
一行性ということ
親鸞の易行
「聞」の構造
ほんとうの生活
他力――ただ生きているということ
「他力」――親鸞の用法
自力と他力
何もせんでよろしい
多念義と一念義
木との対話
永遠の批判原理としての他力

著者略歴
武田定光(たけださだみつ)

1954年、東京都に生まれる。大谷大学文学部博士課程修了。元、親鸞仏教センター嘱託研究員。現在、真宗大谷派・因速寺住職『歎異抄の深淵 師訓篇』『歎異抄の深淵 異義篇』『逆説の親鸞』(雲母書房)『親鸞抄』(ぷねうま舎)など、著書多数

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