2015年12月30日
阿弥陀仏や浄土往生という信仰が実感を失ってしまった今、宗教がその意義を回復し宗教であることを取り戻すにはどうしたらいいのか。宗教哲学の碩学で浄土真宗の僧侶でもある著者が、科学や哲学やキリスト教の神学まで縦横無尽に語り、「自分とは何か」という古今より私たちに課せられた根源的な問いに迫る。
上巻目次
1 科学の誕生
世俗化する世界
科学は中世の僧院から
理性の発見
仏教は思考に始まる
君自身に還れ
世界経験の質的変化
2 科学の発達と宗教の衰退
生命とは何か
科学と宗教の真理への欲求
宗教と世界観
知の重層性と科学主義
宗教は自己を問う
3 宗教哲学とは何か
宗教学と宗教哲学
理性による神の存在証明(デカルト)
宇宙の直観(シュライエルマッハー)
宗教の哲学化(ヘーゲル)
科学的態度の危うさ
4 宗教と哲学の関係
哲学の原点(ソクラテス)
せめぎ合う宗教と哲学
宗教は心霊上の事実である(西田幾多郎)
宗教哲学の重要性
自己は死なない
質疑Ⅰ
5 宗教と自己中心性
キリスト教の神は人間と対立する
神以前の神(ドイツ神秘主義)
信心は現在の経験
今、如来と遇う
大峯 顯(おおみね あきら)
1929年奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。大阪大学教授、龍谷大学教授、放送大学客員教授、浄土真宗教学研究所所長、教学伝道研究センター顧問を経て、現在大阪大学名誉教授、毎日俳壇選者。句集『群生海』で第52回毎日芸術賞、第26回詩歌文学館賞受賞。句集『短夜』で第四十九回蛇笏賞、第七回小野市詩歌文学賞受賞。奈良県専立寺前住職。著書多数。
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